ただ、大きく変わっていたことがひとつある。
「でも、彼女には子供がいた」
朝陽はピクリと反応し、複雑そうな表情を浮かべた。
数年も時が経てば家庭を持っていてもおかしくはないし、その可能性をまったく考えなかったわけでもないのに、案の定かなりのショックを受けた。しかし、父親がいないというのもまた衝撃的で……。
女手ひとつで子供を育てるのは大変なんてもんじゃないと、母を見ていたから重々承知している。たくさん苦労して子育てをしている彼女の身になれば不謹慎極まりないが、相手の男がいないとわかって正直ほっとしてしまった。
都さんは『新しい道に進みたい』と言い、俺がまた会うことを承諾してくれた。もし彼女も望んでくれるなら、自分が父親の代わりになってふたりを支えていきたいと、大きな願望が膨らみ始めている。
「昴くん、すごく可愛い男の子なんだよ。最初はじとっと睨まれたし、俺に対しては愛想がいい方ではないんだが、慣れてきたらくっついてきてくれて……あれはたまらないな」
つい二日前にした花見でのシーンがいくつも蘇り、自然に口元がほころんだ。



