「お名前は? 何歳?」
聞き方は優しいのに表情が固いから、警察の職質ですかと言いたくなるような威圧感がある。昴は無言でそーっと私の後ろに隠れ、嘉月さんはあからさまにショックを受けている。
「やっぱり怖いのか、俺の顔……」
「いえ! すみません、人見知りで。特に男の人に」
ずーんと沈む彼に、私は苦笑いしながら慌ててフォローした。昴が男性に懐くのに時間がかかるのは本当なのだ。
それより、こんな風に接していて大丈夫だろうか。彼のそばにいたら負担になるのではという、まるで呪いのように棲みついた考えがよぎってためらってしまう。
でも、別に名前と年齢くらいなら教えてもいいか。と冷静に思い直し、半分だけ顔を覗かせている息子の代わりに、私が答える。
「名前は昴です。二月で二歳になりました」
「昴くん、いい名前だな」
ひょいっと首をかしげて昴と目を合わせては隠れられ、また顔を合わせては隠れられ、と繰り返している嘉月さんに思わず口元が緩んだ。



