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ヒロちゃんと涼ちゃんが来てからというもの、わが家の空気は一気に明るくなった。
いや、正確には賑やかすぎるくらいだった。
「この唐揚げ、めっちゃ美味しい! 來さんが作ったの?」
「はい、まぁ……」
「えー! 料理もできるとか、完璧すぎじゃない! ねぇ奈那子、何それ、勝ち組じゃん!」
「そんな大げさな……」
わたしは笑ってごまかしたけれど、來はすっとわたしの方を見て、わずかに笑った。
その微笑みに、胸がチクリとする。
この時間がずっと続けばいいのに。そんなふうに思ってしまう。
そして、ひとしきり料理を味わったあとは――やっぱり来たか、という話題に。
「でさでさ! 奈那子、どうやって來さんと出会ったの? やっぱり職場恋愛? それとも運命的な出会いとか?」
この質問が来ることは分かっていた。
でも、どう答えればいいのかは分からなかった。
「えっと、それは……」
言い淀むわたしに代わって、來がスッと口を開いた。
「俺の一目惚れです。元カノにフラれた直後に、たまたま奈那子と出会って――その瞬間、心を撃ち抜かれました」



