「とりあえず確認してからまた連絡するね」

『よろしくー!じゃ、またねぇ〜!』


通話が切れたあと、しばらく車内には沈黙が戻った。


「今の、友達?」

「うん。高校のときの親友2人。今日、2人で飲んでたみたい」

「……奈那子は行かなかったんだ」

「平日は急に仕事入ることもあるしね。誘いは断ったの」


そう説明すると、ようやく來が少しだけ顔をこちらに向けた。


「あのさ……」

「うん?」

「その……友達が、俺に会いたいって言ってるって、マジ?」

「うん。まあ、酔ってたし、冗談半分かもしれないけど……」

「……会うだけなら、別に構わないよ」


來のその言葉に、胸がじんわり温かくなった。

でも――これは演技の一部なのか、それとも……。


「ありがとう。突然結婚したこともあって、きっと心配してるんだと思う。適当に挨拶してくれたらいいから」

「……奈那子の大切な友達なんだろ?適当にはしないよ」