「やっぱり、ダメかな……最初に、1年でって約束してたし」
「ち、違うの!」
「違う?」
「わたしも……來と同じこと、言おうとしてたの」
重たいものが、一気にほどけていく。
思わず、わたしは笑ってしまった。
嬉しすぎて、言葉にできなくて、ただ笑うことしかできなかった。
「マジかー」
來もわたしの様子を見て、肩の力を抜きながら、少し照れくさそうに笑った。
不器用で、口下手で、いつも肝心なことは言葉にしない彼だけど。
このときだけは、ちゃんとわたしの心に届いた。
そして、わたしの中にまた一つ、彼への想いが深く根を下ろした気がした。



