俺や真輝の家主、アルは、平時でもやや笑んでいる。微笑を称えた、優男というわけだが。


「おいアル、お前はなんでいつもそんなにこやかに笑ってんだ?」

アル
「理由? 特にはないけど……そうだね、人生、人当たりがいいに越したことはないから」

……なんだ、わりと普通な理由だな。

アル
「あ、強いて挙げるなら」


「ん?」

アル
「笑顔のほうが、『殺すぞ』って凄んだ時に、迫力あるだろ?」


「……お前」

アル
「あ、やだなぁ、冗談に決まってるだろ? 真に受けてもらったら困るよ、仁、はははっ」

アルは……実は結構ヤバいヤツだと、俺は思う。