「うん、わかった。ちょうど俺も菊月さんと話したいって思ったから。卒業式が終わったら、“手紙に書いた場所”で待ってるよ」
「葛葉くん、手紙って?」
「昨日、菊月さんの机の中に手紙入れておいたから読んでくれるとうれしい」
葛葉くん、昨日私の机に手紙を入れておいてくれたんだ。
シンくんの手紙に紛れて、全然気づかなかった。
「わかった」
葛葉くんがこの場を去ったあと、私は自分の机の中を確認した。
あれ?
私の机の中に、なにも入ってないんだけど……。
葛葉くんは絶対に私の席を知ってるから、入れ間違いは考えづらい。
じゃあ、葛葉くんの手紙はいったいどこにいったの?
葛葉くんにこのことを知らせようとすると。



