卒業まであと30日、キミのことが知りたい。



「そういえば、菊月さんって電車通学だったよね?」



「うん、そうだけど……」



「ちょうど俺もそっちの方面だから、今日は途中までいっしょに帰らない?」



葛葉くんからの誘いに驚喜(きょうき)する。



まさか、覚めると思っていた夢の続きを、葛葉くんが見せてくれるなんて。




「うん、もちろんだよ!」




まだあと少し――葛葉くんといっしょにいさせて。