「そういえば、菊月さんって電車通学だったよね?」 「うん、そうだけど……」 「ちょうど俺もそっちの方面だから、今日は途中までいっしょに帰らない?」 葛葉くんからの誘いに驚喜(きょうき)する。 まさか、覚めると思っていた夢の続きを、葛葉くんが見せてくれるなんて。 「うん、もちろんだよ!」 まだあと少し――葛葉くんといっしょにいさせて。