――ピンポンパンポーン……。



「下校時刻になりました。まだ残っている生徒は速やかに下校してください。くり返します――」


会話が盛りあがっているところで、校内放送が流れた。


「明日は卒業式だから、今日はいつもより下校時間が早いなぁ」

「そうだね」


本音を言うと、今日だけでいいから、今まででいちばん長く葛葉くんといっしょにいたかった。


「さて……と、そろそろ帰ろうか」

「うん……」


もうこれで葛葉くんとふたりきりで話すのは終わるんだなぁ。