俺は本当に三神に協力するはずだった。




だが…




哲哉の父ちゃんの作ったブラウニーに入っていた少量の洋酒で俺は酔っ払ってしまっていた。



あのブラウニーを食べたのは初めてではなかったのに。



三神と争うようにして大量に食ったのがまずかったようだ。





朝目が覚めてあの事件が起きた。




下着姿の三神が俺の腕の中にいた。




酔っ払ったあとのことは何も覚えていなかった。
酔っ払ったという事すら覚えていない。
三神も全く同じ状態。



昨日の夜俺達は身体を重ねてしまったかもしれない。



いや。



かもしれないなんて確率の低い表現はここで使うべきではない。



こんなにも三神の事を好きなんだから、ベッドでこんな事になっていて絶対手は出していないという自信がない。




世の中には付き合っていなくてもその行為に及ぶ者も少なくないはずだが、俺にとってはありえない。しかも相手は三神だ。




そして、一番心配なのは避妊の事だ。
ここまで誰とも付き合わずに過ごしてきた俺が避妊グッズを持っているわけがなく、もしも三神と身体を重ねたとしたら相当重罪だ。




俺は俺なりに出来る限り誠意を尽くすことにした。