「ーーで、あたしは通り魔に化けて、万桜を殺そうとしたってワケ。
まー、完全にそうすることは出来なかったけど」


「ーーっ、お前っ!! 頭狂ってるのもいい加減にしろ!!」


桂田くんは、キッとあたしを睨みつける。


「万桜はこのまま目覚めることはないよ~? わたしの魔法をつかっても無理
だから。あたしには関係ない。じゃあね、桂田くん」


あたしが万桜の病室から出ようとするとーー、くいっと制服の(えり)
をつかまれる。


「栗栖、お前は、ただのエゴイストだ」