春風になびく黒髪に、男子の中では高い背丈が印象的な、イケメン男子が
自分の視界に飛び込んできた。


あたしは思わず、肩にかけていたスクバを危うく、落としそうになる。


今まで見た男子の中で、す、すごくかっこいいっ……!!


決定的な一目惚れだった。


それから少しあとに、桂田くんと一緒にいた女は、鹿森万桜という名前で
恋人ではなく、幼なじみと知ったあたし。


これはチャンスだと感じる。


あたしは、桂田くんと近づくために、鹿森万桜とわざわざ親友になった。