けどその思いは一瞬だけなのを、現実はあたしに突き付けてきた。


あたしの入所した養護施設は、悪く言えば監獄。


自分と同じくらいの年の子から、陰で悪口を言われたり、お金をむしり
取られたり、殴りかかられたり、あたしは決定的ないじめのターゲットに
された。


あたしは絶望する。


これじゃあ、家と同じじゃないかと。


それから年月は過ぎて、12歳の時に自分を引き取る里親が決まったけど、
わたしは既に空虚感(くうきょかん)になっていた。