「な……、桂田くん、なんでそんなの持ってるの……?」
若干震えた声で、怯える栗栖だったけどーー、もう観念したのか
ニヤリと口角を吊り上げてから、クスクス笑い始めた。
「あ~、もうなんだかどうでもよくなっちゃった。そうよ、あたしは魔法使い
で、万桜を殺そうとしたのも、通り魔も、ぜ~んぶ、あ・た・しだから」
「小松木春陽を利用したのも、お前か?」
「そうだよ~、でも小松木ってば結果的に役にたたなかったな~。あ、
小松木は魔法使いじゃない、ごく普通の人間だよぉ? あたしが魔法で、
ちょっと魔力を分け与えただけだから」

