王子様に恋の魔法をかけられて。


そっと俺は、栗栖の鎖骨で光っているものをつまんだ。


「きゃっ! 勝手に触らないでよ! これ気に入ってるんだからっ!」


つまんだまま引っ張ると、栗栖の制服の下から出てきたのは、
銀のチェーンのペンダント。


そのシンプルな一粒ペンダントは、大粒の水面色のウォーターパールで、
見る角度によって様々な色を見せる、宝石の一つだ。


「いい加減、離してっ!!」


栗栖はパチンと俺の手をはたいて追い払う。