またまた唖然とする栗栖に向かって俺は、こう言った。


「栗栖は俺のこと好きなんだろうけれど、お前のその気持ちには答えられ
ない。俺はーー、俺は万桜を大切にしたいから」


「ななな、なに勘違いしてるの!? あたしは万桜の一番の親友だよ!
親友の恋人に手をだすとか、そんな変なマネするわけないじゃーん!!」


あははー、と後頭部に手をあてて笑って誤魔化す栗栖。


俺は、呆れて首を左右に振った。