「こんな、いつ目覚めるかもわからない女に、執着する必要なんて
ないでしょ!? 万桜は、幼なじみっていうだけで、桂田くんのことは
なんとも思ってないんだからっ!!」


「いや、万桜の口からちゃんと聞いた。俺のこと『好き』だって」


ポカンと口を開けて、「は……?」と言葉をこぼす栗栖。


するりと、首から栗栖の手が離れる。


「俺と万桜は確かに幼なじみだ。だけど、栗栖は知らないだろうけど、
今の俺たちは恋人同士なんだよ」