外は光が無ければ、月も出ていないし、空は雨雲に一面おおわれていて、
雨が激しく降っていた。


暗闇の中で頼りになる物は、ぼんやりと光る街灯だけ。


電話を切ったあと、俺はタクシーに乗り込み、栗栖が言っていた総合病院に
急いで向かった。


タクシー代を運転手に支払って、病院の入り口へ中に入る。


透明のガラスでできた自動ドアをくぐり抜けると、看護婦と栗栖が俺が
来たことに気が付いて、パタパタと走りながら寄って来た。