「桂田くんは、この美人のあたしをフッたの! ただ、万桜と桂田くんが、
幼なじみっていう関係だけで、いっつも二人でくっついてて、それを
見るたび、死ぬほど苦しかった……っ! あんたさえ……、万桜さえ
いなかったら、結ばれるのは、あたしだったのにっ………!!」


片手の手の平を、わたしに向けて花歩ちゃんは、呪文をブツブツと
唱え始める。


ーーこのままだと、殺されるっ……!!


わたしの頭によぎったのは、その考え一つだった。