王子様に恋の魔法をかけられて。


5月20日月曜日の放課後。


わたしは、オレンジ色の空の下、一人下校していた。


千星くんは、どうやら急に委員会の集まりがあるとかで、一緒に帰れない
ことを残念そうにしていたのを思い出す。


しゅんと、捨てられた子犬のようになっていた千星くん。


クールで完全無欠の王子様なのに、時々、可愛い表情を見せてくれる
千星くんに、心の中で、ふふふっと笑みがこぼれてしまうわたし。


さて、今日の夕ご飯は何にしようかな……っ?


わたしは、ルンルン気分で帰り道を歩いていた。


でも、そんな矢先ーー、わたしは思わずその場でガクンと両膝を落とす。