そう思ったらなぜか、胸がチクリとした。


………? 気のせい、かな……っ?


わたしは階段を下りて、玄関でローファーに履き替えると同時に
千星くんはスマホをポケットにしまう。


「じゃあ、千星くん、行こうっ……!」


千星くんの方を振り向いた瞬間ーー、わたしの視界は黒くなった。


どういう状況になっているのか理解できたのは、数秒後。


わたしは、千星くんの胸にすっぽりとおさまっていた。


「………へ? ち、千星くんっ……!?」