昨日、小松木くんに触れられた腕の部分が、電流が流れたような感覚に
襲われたことを思い出す。


あれは正真正銘の、微弱な魔力の力。


小松木くんが、わたしと同じ“魔法使い”かもしれないという
勘は、見事に的中してしまったのだ。


小松木くんは、ナイフを両手でしっかり構える。


「はははっ……! 鹿森さん、びっくりした? そう俺が、通り魔の犯人
なんだよ……!」


狂ったように笑う小松木くん。


「僕は、鹿森さんがずっと好きだったのに……っ! 桂田のせいで鹿森さん
は一向に俺の方に振り向いてくれないし、もう我慢の限界だ! ここで
鹿森さんを殺して、俺の物にしてやる……っ!!」