王子様に恋の魔法をかけられて。


「えーと、あっ! 千星くん、わたしアイス食べたいなっ……!」


わたしは、行列ができているアイス屋に指をさす。


すると、何気なくするりとわたしの指を、千星くんの手がからめとる。


「ちちち、千星くんっ……!?」


「万桜、人多いし離れないようにするためだからな?」


ニヤリと、いたずらな笑みを浮かぶ千星くん。


わたしは真っ赤な顔を伏せて「は、はい……」と言う通りに
従うしかなかった。


千星くんは、わたしと手を恋人つなぎのまま列の後ろに並ぶ。