「えぇと、小松木くん今日は一人で帰りたい気分なんだ。申し訳ないな
とは思ってるんだけどーー、本当にごめんねっ……!」


わたしは机の上にあったスクバを掴んで、小松木くんの横を通り過ぎ
ようとすると、なぜか道を小松木くんの広げた両手でふさがれた。


「こ、小松木くん……?」


小松木くんは口角を上げていたけど、目がわらっていないことにわたしは
気づく。


「あのさぁ、そんなに僕のこと嫌いなの? 鹿森さんって」


突然の小松木くんの発言に、わたしはギョッとする。