「万桜、おーはよ! 今日は桂田くんと一緒じゃないんだね? 珍し~、
何かあったの?」
花歩ちゃんに指摘され、体のどこからかギクリと音が鳴る。
わたしは、手を突き出し、ブンブンと左右に振って誤魔化した。
「特になんにもないよっ……! ちょっと、今日はわたしが朝遅かったから
先に千星くんに、学校行っててもらっただけっ……!」
さいわい、花歩ちゃんは、「ふーん、そう」と言ってそれ以上は追及
してこなかった。
「あ~! 今日と明日、中間テストなんて地獄だよ~! 万桜は今回
どうなの? なんだかんだ言いながら、万桜っていい点数とってるよね~」

