王子様に恋の魔法をかけられて。


すると、小松木くんは、頬をちょっと赤く染める。


「僕、鹿森さんのこといつも見てるから……、だから、元気だなとか、
落ち込んでいるとか、すぐわかるんだ」


「へぇー、そうなの? クラスメイトのことをよく見てるなんて、小松木
くんってすごいねっ!」


わたしは褒めたつもりなんだけど、小松木くんはちょっとムッとした
表情へと変わる。


「小松木くん……? わたし気に障るようなこと言っちゃった?」


「え!? い、いや、そんなことないよ」


その言葉に、わたしは自分の気のせいかとホッとする。