王子様に恋の魔法をかけられて。


「じゃあ、いただきまーー」


「あのさ万桜、これからは俺に気安く話しかけんな」


千星くんの低い声に、わたしは思わずびくりと肩が跳ねる。


「えっ、ど、どうしてっ……?」


「俺、万桜と同居なんて正直、苦痛以外のなにものでもないって思ってる。
だから、必要なこと以外の会話はしたくない」


千星くんに、そう言い放たれたわたしは呆然として、目の前に置かれた
カレーライスが美味しくなさそうに見えてしまった。