それでも、なんとかわたしの頼みで千星くんと帰ることができた。 「千星くん、自分の家だと思ってゆっくりくつろいでいいからね!」 だけど、わたしの家に来ても何にも喋らない千星くん。 海外出張中で、お母さんもお父さんもいないときは、わたしは大体自炊している。 わたしは、キッチンに立って夕ご飯をつくっていたけど、どうしてもリビング でテレビをみている千星くんが、気になってしょうがなかった。 千星くん……、いつも優しくてニコニコしているのに、一体どうした んだろうっ……?