「え……、あっ!」


そういえば、一週間前、花歩ちゃんとクレープ食べに行った記憶が
ハッキリと頭の中で(よみがえ)る。


「ご、ごめんねっ! わたしちょっと用事があって……、今度の休みの日に
行くのはどうかな……っ?」


「え? まぁそれでもいいけれど……」


「よかったっ……! じゃあねっ、花歩ちゃんっ!」


わたしは、スクバを掴んで花歩ちゃんから逃げるように教室を出た。


ふと、わたしはあることに気づく。


いつも、放課後すぐに「帰ろ?」と誘ってくれる千星くんがいないことに。