王子様に恋の魔法をかけられて。


「あ、ありがとうっ……! あ、そうだ、千星くんにまだ伝えなきゃ
いけないことあって……っ」


「なに? なんでも言っていいよ」


もじもじして、赤面しながらわたしは口を小さく動かす。


「………少しの間だけ、わたしの家で暮らしてもらえないかなっ?」


本日二度目の「は?」が聞こえてきたのは、言うまでもない。





「桂田くん、今日もかっこいい~!」


「でも、鹿森さん以外の女子とはあまり喋んないよね~。幼なじみだからかな?」


自席でも耳にはいってくる、女子生徒の声に、わたしは今日も千星くん
モテモテだなぁと思った。