王子様に恋の魔法をかけられて。


「怒ってない。ただ、考え事してた。万桜ってすごいなって」


「………へ?」


千星くんは、ポンッとわたしの頭の上に手をのせた。


「ありがとう、万桜、俺の命を救ってくれて。死んだら万桜に会えなくなる
だろ? 俺もそんなの絶対に嫌だからな」


「千星くんっ……、信じてくれるの?」


わたしがそっと言うと、千星くんはフッと微笑んだ。


「んー、まぁ100パーセントってワケじゃないけど、万桜は嘘を
つかないことぐらい知ってるから、俺」