「わたしはね、魔法使いなの」


「………は?」


ポカンと口を開く千星くんは、わたしを見たまま固まり、わたしの予想通りの
反応をする。


「わたしの家は代々、特殊な力ーー、魔法を使える血を受け継いてこの世に
生まれるんだ。でも、このことは極力他の人に言っちゃいけないって決まりもある
んだけど、千星くんは、特別だから、気にしなくて大丈夫だよっ……!」


万桜の言う『特別』は、『幼なじみ』なんだなとちょっぴり寂しくなる俺。


「千星くんがわたしを庇ってくれて死にかけた日から、わたしは一週間前に
時を巻き戻す魔法を使ったの」