王子様に恋の魔法をかけられて。


わたしはニコッと作り笑いを浮かべて、その場を誤魔化した。


オレンジ色の空の下、わたしは千星くんと下校する。


普段はクールで、あまり人と関わらない千星くんだけど、昔から不思議と
わたしに対しては甘くて、優しくなる。


理由は“幼なじみ”だから、というのが正しいんだろうけれど、わたしは
そんな千星くんについ、ときめいてしまうんだ。


それがバレないように隠すのも難しいなぁ……、とつくづく実感するけれど、
でも、千星くんの側にいると自然と元気になれちゃう。