「栗栖、本当に人に愛されたいと願う人は、少なからず誰しも、人を 思いやる気持ちがある。けどな、お前にはそれがこれっぽっちも無い。 ただ、自分だけを見て欲しいって気持ちを、押し付けているようなもんだ」 『押し付けている』ーー、桂田くんのその言葉を聞いた瞬間、あたしは その場でカクンと、膝を落とした。 「あああ! あたし、間違っていたの……!?」 自分でも制御しきれない程の、涙が溢れて、ポタッと床に落ちる。