あははっ、と女の子たちは笑う。


わたしは何も言い返せないまま、ただ痛む胸を手で抑えた。


千星くんイケメンでモテモテだし、わたしなんかがいつも近くにいるのを
見たら、理解できなくて当然のことだよね……、けど、不満を言われるのは
まだ慣れないなぁ……、あはは。


「まーお」


「あっ……、千星くん」


千星くんが現れた途端に、女の子たちはそそくさと去って行く。


「どうした? なんか元気ないように見えるけど?」


「な、なんでもないよっ! ほらっ、今日数学小テストあったでしょ?
わたし、上手く問題解けなくてちょっとがっかりしただけだからっ………!」