2年に進級してもあの人には会えなくて。 違う高校に行ったかもしれないし、会えるわけないか。 なんて、諦めていた時だった。 『っわ、ごめんなさい……!』 『いや、俺のほうこそごめん、だいじょう──』 廊下でぶつかった相手に手を差し伸べた時、すぐに脚の傷跡に気がついた。 それから、目の前で尻もちをついていたその人に、俺は目を見開いたんだ。 名前を聞いたら、不思議そうな顔をしながら、澪は答えてくれた。 『澪ね……やっと名前聞けた』 俺のことは覚えていなさそうだったけど、別によかった。