私はその本のタイトルを読む。

「イギリス史…?」

「あー、元々God's mischiefの次巻を探しに来たんだけど、脱線してたとこ。ヒューイとサラについてなんかないかなと思って。寧々ちゃんは?」

「あ…私は…ちょっと気分転換したくて。」

「…そっか。邪魔しちゃったね。」

カベ君は手をあげて会釈すると、また資料に目を落として世界史コーナーへと足を向けた。


「…あっ、カベ君!私も一緒に探すよ」

「え、いいの?」

「うん!」


カベ君が頑張ってくれてるのに、当事者の私が遊んでるわけにはいかないよ。

それにカベ君がいてくれた方が気が紛れそうだし。