策略家がメロメロ甘々にしたのは強引クールなイケメン獣医師

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 出逢ったころから献身的な無償の愛を捧げてくれ、愛を貫く卯波先生に支えられている毎日。

 互いに恋に引き寄せられ愛に昇華させ、この世の奇跡に感謝をしながら、二人で愛を集め愛を育んできた。

 そして、今日、みなさまの前で私たちは、永遠の愛を誓う。

『この人となら、いっしょに生きていけるという人と結婚するんじゃなく、この人がいないと生きていけないという人とだけ結婚しなさい』

 私は、お母さんの贈ってくれた言葉通りの人にめぐり逢えた。

 お母さん、緒花から卯波に変わるけれど、桃は桃のままです。ずっと、お父さんとお母さんの娘です。

 桜やスイカズラ、羽衣ジャスミンが満開に花を咲かせ甘い香りを放つころ、私は愛する人と結ばれ、この世の果てまで添い遂げる。

『結婚式のときは実家の羽衣ジャスミンを、また俺が桃の髪に編み込む』って。
 そう、卯波先生が私に教えてくれたインドの慣習で愛の証し。

 卯波先生は喜びに満ち溢れ、心から楽しんでいる様子で、今日を心待ちにしていた。
 
 オペや治療でも発揮する手先の器用さで、意気揚々ときれいに編み込んでくれた。

 卯波先生のお父様にも晴明はロマンチストなんだなって、また笑われた。

 チャペルの鐘の音 清き 差し仰ぐ
  おとめは 満ちる明るき光に包まれ
   聖なる生命の家族 あなたを慈しみ
    とわに誓い添い遂げ 主の愛を捧げ
     祝したまえと天を讃え 至福を祈る

「卯波先生」
「そろそろ、院長呼びに馴染んでもいいころだろう」
「院長、大好き」
「じゃないと困る」

 なんて素敵なハッピーエンドなの。

【了】