持て余す長く逞しい腕を八の字に広げ、盛り上がる厚い胸板と腹筋が、ここだよって導いてくれる。
「やっぱり卯波先生は、私のスーパーヒーロー。いつも安心させてくれる」
胸に飛び込み、抱きついた。直に胸に接触する耳には心音が聞こえる。
卯波先生の優しい心音にいつも癒される。
「大好き。ずっとずっと離したくないくらい大好き」
「成り代わって気持ちを言ってくれて、ありがとう」
「そうじゃなくて」
「なくて?」
「イジワル、お願い、言って」
仰ぎ見る私の首すじに顔を埋め、強く抱き締めてきた。
「大好きだ、このまま桃を離したくなくなる」
耳もとで囁いてくる低い声が優しく響く。
「卯波先生」
重い声で自分の名を囁かれた卯波先生が、心配そうに覗き込んでくる。
どうやら思い詰めた不安げな気持ちが、重い声に込められてしまったみたい。
「今度いつ逢えますか?」
言うや否や笑い声を上げると、卯波先生はたまらず吹き出した。
あああ、おもしろい、最高。
「寂しげな声に見事に引っかかった。役者だな、本気で心配したじゃないか」
私の両肩に手を置く、卯波先生の微笑みを見ればわかる。安心したって表情。
「今さっき逢ったばかりだ」
そう言って、もっと笑いかけてくれるから、私の頬も笑顔が抑えきれない。
「今度いつ逢えるかだって? 今日も明日も明後日もどころか、これからずっと逢える」
待ちきれないように、言葉の途中で強く抱き締めてきた。
「逢えるもなにもいっしょにいる、半永久的に。おなじ場所に互いが戻って来るんだ、必ず」
そう、ずっとずっといっしょ。
すらりとした長身の背を丸めて、私を抱き締める卯波先生と、このまま溶けてしまいそうなくらい。
二人の体がどくんどくん熱い。
「たとえ束の間でも、いっしょにいられて嬉しかった。ありがとう、また桃からパワーをもらった」
卯波先生の胸に顔を埋め、大きな背中に抱きつく私の耳の奥に、息が交じる声が絡みついてきて、くすぐったい。
「卯波先生、ありがとうございます。私もです、とっても嬉しかった」
安心したように、卯波先生がそっと体を離して、仕事に行くように私の腰に軽く触れて促されたから、二歩目で振り返った。
「どうした?」
真剣な顔で聞いてきて心配そう。
「朝起きたら、毎日笑顔になるんです。また卯波先生に逢える一日がきたから」
「いずれ、俺の隣で生涯起きることになる、その笑顔で」
口角を微かに上げた、嬉しそうな満面の笑みを見ていると、私まで笑顔になる。
「やっぱり卯波先生は、私のスーパーヒーロー。いつも安心させてくれる」
胸に飛び込み、抱きついた。直に胸に接触する耳には心音が聞こえる。
卯波先生の優しい心音にいつも癒される。
「大好き。ずっとずっと離したくないくらい大好き」
「成り代わって気持ちを言ってくれて、ありがとう」
「そうじゃなくて」
「なくて?」
「イジワル、お願い、言って」
仰ぎ見る私の首すじに顔を埋め、強く抱き締めてきた。
「大好きだ、このまま桃を離したくなくなる」
耳もとで囁いてくる低い声が優しく響く。
「卯波先生」
重い声で自分の名を囁かれた卯波先生が、心配そうに覗き込んでくる。
どうやら思い詰めた不安げな気持ちが、重い声に込められてしまったみたい。
「今度いつ逢えますか?」
言うや否や笑い声を上げると、卯波先生はたまらず吹き出した。
あああ、おもしろい、最高。
「寂しげな声に見事に引っかかった。役者だな、本気で心配したじゃないか」
私の両肩に手を置く、卯波先生の微笑みを見ればわかる。安心したって表情。
「今さっき逢ったばかりだ」
そう言って、もっと笑いかけてくれるから、私の頬も笑顔が抑えきれない。
「今度いつ逢えるかだって? 今日も明日も明後日もどころか、これからずっと逢える」
待ちきれないように、言葉の途中で強く抱き締めてきた。
「逢えるもなにもいっしょにいる、半永久的に。おなじ場所に互いが戻って来るんだ、必ず」
そう、ずっとずっといっしょ。
すらりとした長身の背を丸めて、私を抱き締める卯波先生と、このまま溶けてしまいそうなくらい。
二人の体がどくんどくん熱い。
「たとえ束の間でも、いっしょにいられて嬉しかった。ありがとう、また桃からパワーをもらった」
卯波先生の胸に顔を埋め、大きな背中に抱きつく私の耳の奥に、息が交じる声が絡みついてきて、くすぐったい。
「卯波先生、ありがとうございます。私もです、とっても嬉しかった」
安心したように、卯波先生がそっと体を離して、仕事に行くように私の腰に軽く触れて促されたから、二歩目で振り返った。
「どうした?」
真剣な顔で聞いてきて心配そう。
「朝起きたら、毎日笑顔になるんです。また卯波先生に逢える一日がきたから」
「いずれ、俺の隣で生涯起きることになる、その笑顔で」
口角を微かに上げた、嬉しそうな満面の笑みを見ていると、私まで笑顔になる。


