俺が目を覚ましたのは
午後になってからだった。
あんなに苦しかったのに
今は嘘のように消えている。
その時、なぎささんが
部屋に入って来た。
「真生くん!気が付いたのね。」
「はい…。ごめんなさい、
迷惑かけちゃって。」
「いいのよ。
子供は親に迷惑かけて。
それに、迷惑が
悪いことだとは思わない。
私はね。
だから、甘えていいの。
真生くんは、私とあなたの
お父さんが結婚しても、
一度も甘えてくれなかったから、
少し、寂しかった。」
「なぎささん…。」
俺は体を起こした。