虹の秘密

「それにしても、急に降ってきたな」
「ほんとに。予報では晴れだったのに」
私がタオルで髪を拭いているとそうたがジッとこちらを見ている。
「何?」
「ずぶ濡れだな。風邪ひくなよ」
「何?急に。いつもはそんなこと言わないじゃん」
いつものそうたなら「バカは風邪ひかないから良いよな~」なんて言って私のおでこをピンと弾く。
「熱でもあるんじゃない?」
私がそうたのおでこを触ろうと一歩近づくと、そうたは一歩下がりわざとらしく「あ~!」と声を出した。
「何?」
「雨、やんできた」
外に出てみると雨粒も小さくなりこれくらいなら帰れそうだった。
「そうた。帰ろう?何見てるの?」
私が動き出してもそうたは立ち止まったまま空を見ていた。
「あっ」
私も並んで見てみるとそこには大きな虹がくっきりと見えていた。