「ひより、『虹の秘密』の話、聞いたことある?」
「『虹の秘密』?何それ?」
「あのね、学校のすぐ近くにある丘で好きな人と一緒に虹を見ると両想いになれるんだって」
「へ~。まあ、私に好きな人なんていないから意味ないけど」
「うそだ~。そうた君は?好きじゃないの?」
「あいつはただの友達」
高校一年生のひよりは恋をしたことがなく、全く興味をひかれなかった。