青空リミット

 階段を上り、教室の扉の前に着いた。


 もう中には何人かいるらしく、少し話し声が聞こえてきた。


 …1年間、本当に楽しかった。


 最初の頃は知り合いがいなくてとても不安だったけど。


 カエちゃんやリオちゃんと友達になれて、本当によかった。


 そして八尋くんとも出会えて、本当によかった。


 これから私が過ごすのは、八尋くんがいない教室の中。


 でも、それはそれで楽しいのかもと思い始めている自分がいる。


 たぶんこの先、八尋くんと同じクラスだったらな、と思うこともたくさんあるだろう。


 でもそれも運命だとして、しっかり受け止めていきたい。


 私は教室の扉に手をかけ、ガラガラッと扉を開けた。


 そして、大きな一歩を踏み出した。