青空リミット

 文化祭の少し前に彼を好きになってから、私の世界はこの空のように青く染まっていった。


 それは、紛れもなく青春だった。


 2年生になり、八尋くんと話す機会も格段に減るだろう。


 …いや、もしかしたらもう話せないのかもしれない。


 そう考えると、もう八尋くんのことを諦めてしまおうかとも思った。


 …でも、できなかった。頭の中に残る八尋くんの声が、笑顔が、彼を好きな気持ちを忘れさせてくれなかったのだ。