青空リミット

「…涼風さん」


 振り返ると、そこには八尋くんがいた。


「これ、ありがとうございました」


 と、白い袋を私に渡した。


「…あ、ありがとう、ございます…!」


 そして八尋くんは自分の席に帰って行った。


「朝、渡すんだね」


 と、カエちゃんが言った。


 …ま、まさか朝学校に来てすぐに渡されるとは。


 心の準備する暇もなかったから、ずっと渡されたら言おうとしていたことも言えなかった。


『ありがとう、嬉しい』


 あーあ、これも言えなかったし、笑顔でもなかった。


 …思っていたのと、全然違った。


 だけど。


 私は八尋くんにもらった袋を見つめる。


 …言葉にならないくらい、嬉しい。


 お返しをくれるとは言っていたけど、こうして現実になると、本当に信じられないぐらい嬉しい。


 勝手に頬が緩んでしまう。


 そして私は、もらった袋を傷つけないようにそっとカバンにしまった。