「…では、終礼終わります」


 先生のその言葉を合図にして、学級委員が号令をかける。


 私は八尋くんに放課後すぐにチョコをあげるつもり。


 今までで1番緊張した号令だった。


 号令が終わり、私はすぐに八尋くんの席を見る。


 八尋くん、すぐに帰ってしまうかもしれないから早く渡さなきゃ…!


 私は震える手でチョコを手に取り、席を立った。


 ざわざわとした教室。クラスメイトの話し声をかき分けて、八尋くんの席の前に立った。