「そ、そんなことないよ」


「ううん、数学できるの、尊敬するよ」


 尊敬って、そんなに?


 嬉しいけど、素直に喜んでいいのかな…?


「あ、ありがとう…」
 

 八尋くんと、たくさん喋っちゃった。


 いまだに心臓の音は鳴り止まない。


 すぐ横にいる本人に聞こえてしまいそう。


 次の席替えまであと1ヶ月。


 このままずっと隣だったらいいのにと思う私もいるが、こんなに近かったら心臓もたないから早く変わってほしいと思う私もいて。


 恋愛って、矛盾するんだなって感じた。