青空リミット

「…ねぇ涼風さん」


 私がノートとにらめっこをしていると、左から声をかけられた。


「…っ!?…は、はい、どうしたの…?」


 突然のことで、とても驚いてしまった。


「あのさ、これってどうなるの?」


 今は担任の先生の数学の授業中。


 八尋くんは私に数学の問題を見せた。


「あ、えと、これはね…」


 実は私、数学得意な方なんだよね。


 1つ1つゆっくりと八尋くんに教えていると、ふいに距離の近さに気付かされて赤くなる。


 隣って、本当に近いんだね。


「…で、こうなるの」


「わかった!涼風さん、すごいな」


 と笑顔で言ってくれるから、ちゃんと教えてよかったって思える。