「よし、それじゃあ席替えもしたことだし、心機一転頑張ろうなー」


 そんな先生の言葉なんて、到底私には届かなかった。


 私の全神経は全て私の左隣に注がれていた。


 やばいやばい。


 私の隣に、私のすぐ隣に八尋くんがいる。


 文化祭で一緒に写真を撮ってすぐということもあって、より一層緊張していた。


「じゃあこれ大事だからノートに書いとけよー」


 と先生が言ったので、私はすぐにシャーペンを持って字を書こうとした。


 でも私の手は全然言うことを聞かない。


 書いては消して、書いては消してを繰り返していた。