「それじゃあそろそろ席替えするかぁ」


 先生のその言葉に、クラスのみんなは大きな歓声をあげた。


 文化祭という行事が終わり、私たちの学校は少しずつ日常を取り戻していった。


 文化祭。その行事は青春そのものだった。


 まさか好きになってすぐ2人で写真を撮れるなんて思ってもいなかった。


 …時々その写真見ながら思い出してるの。


 本当に一生の思い出だ。


「じゃあ順番にくじを引きに来い」


 先生が教卓の上に割り箸で作ったくじの入った入れ物を置く。


 1人ずつくじを引いていくと、友達と番号を教え合って喜んだり残念がったりするクラスメイトたち。


 私もくじを引くと近くのカエちゃんと番号を見合わせた。


「カエちゃん何番だった?」


「私30番だ」


 カエちゃんは30番か。


 今度は席、離れちゃったな。


 私は20番で1番後ろの席だった。